湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

お宅探訪

不定期で集まる日本人女性5人の会。以前にもこの会について書いたが、皆スイス在住〇十年の大先輩でお料理上手な方たちばかり。いつもテーブルの上にはそれぞれが手作りで持ち寄った多くは和食の数々が並ぶので、毎回とても楽しみにしている。

今回はトゥーンの街中、旧市街の通り沿いに住むHさん宅での開催となった。Hさんはインドと縁が深い方で、インドのカレーを作って迎えてくれた。

高温の油で揚げたパパード。これにフムス(ひよこ豆のペースト)をつけて食べると絶品。

カレールーは使わずスパイスだけで作るゴアカレー


処で、スイスでは誰かのお宅にお邪魔すると、よく家の中を見せて回ってくれる。冬が長いせいか、家の中で快適に過ごせるよう改装、工夫したり、お気に入りの家具を揃えたり、思い入れが深いせいかな?と思っている。

Hさんも「家の中見ますか?」と言ってくれたので、皆で喜んで見学ツアーに参加した。

トゥーンの街自体は12世紀末に高台のトゥーン城が築かれて町として発展していった。15、16世紀から宿場町として栄え、旧市街のオーベレ・ハウプトガッセが上下2段になっているのは、その頃、馬は下部に繋がれて、宿泊客は上の部屋に泊まったためだそうだ。

現在は下は商店、階段を上った上は歩道と住居になっているオーベレ・ハウプトガッセ。

Hさんのお宅はそのオーベレ・ハウプトガッセにある。いくつもの建物がお隣と隙間なくぴったりとくっついて建てられている。階の数で言えば6階建て。そして家の奥には段々と高くなっていくお庭が広がっていた。

スイスは景観維持にとても厳しい国だ。よって、旧市街ともなれば外観維持のために個人で好きなようにはいじれない。でも内装は自由なのかと思ったら、内装も手を加えて良い事は決まっているそうだ。

誰かが「この家は築何年?」と聞くと、「建物自体は16世紀に建てられたそうです」とさらりと答えるHさん。日本だったら築100年で立派な古民家として重宝されるが、16世紀といえば日本では室町時代~安土桃山時代。そんな古い建物が完璧に残っていて、更には未だ現役なんて、やっぱり大地震のない国の石の建物は頑丈なのだなぁと感心した。

家の中の壁や階段は古い歴史を感じられ、とても興味深いお宅訪問となった。