湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

海外に住むということ

先日、スイスに来てから知り合った日本人のお友達と持ち寄りの食事会をした。

お友達と言っても皆さんスイス在住歴〇十年以上の大先輩方で、結婚と同時にスイス国籍を取得した方もいる。

当日は、景色が素晴らしいTさんのお宅に集まり、テーブルに並んだのは見事な和食の数々。別に「和食にしましょう!」と決めた訳ではないのに、やはり日本人が集まると自然と和食になる。

素晴らしい眺めと共に楽しい食事会

Tさんがスイス移住の際に日本から持ってきた素敵な和食器にこれらの料理を取り分ければ、テーブルの上はもう日本。日本に住んでいた時でさえこんな豪華な食事はそうそうなかった。

ザ★和食

それにしても皆さんの料理の腕前にはいつも感銘を受けてしまう。私などは料理のレパートリーも数少なく、それもいつも適当に作るものだから、人様にお出しできるようなものは余計に数が限られる。

今年のお正月にはKさんのお宅に、初釜を兼ねたお茶会兼食事会にもお邪魔した。Kさんはきちんと着物を着て皆にお茶を点て、見事な手作りおせち料理とお雑煮も用意してくれていた。いまどき、日本でもきちんとおせち料理を手作りする家は少ないのではないだろうか?

海外に住んでいると、日本で簡単に手に入っていたものが手に入らなくなり、それを補うために色々と創意工夫をする必要がある。それを皆さん積み重ねて来て今に至っている、エキスパートなのだ。

今でこそ町のスーパーでもお醤油や海苔などが買え、ちょっと大きいスーパーの魚売り場に行けば、種類は限られるがお鮨用の魚も買えるようになったが、昔はそんなもの全く無かったはず。

遠い日本に思いを馳せ、国籍はともかく、日本人であることの誇りとアイデンティティーを大切に守ってきたのであろう。

それに比べて、茶道も華道も縁が無く、着付けもできず、何一つ日本人として海外の人に日本文化を紹介することのできない私。お恥ずかしい・・・