湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

アーレ渓谷

先週末、ずっと行ってみたかったアーレ渓谷(アーレシュルフト)へ行って来た。

この渓谷に流れるアーレ川は全長291kmのスイスで一番長い川で、オーバーアール氷河から始まり、アーレ渓谷を流れた後、ブリエンツ湖、トゥーン湖、首都のベルンを流れ、最終的にはドイツのライン川へ合流する。ベルン州ではウォーターアクティビティのメッカとして皆に愛されている。湖では私が考えられるほとんど全てのアクティビティ:ヨット、ボート、カヌー、レガッタ、サップ、水上スキー、ウェイクボード、ダイビング等々を楽しむ人々を日々見られるし、流れの結構早い川では泳ぐ人や何キロもゴムボートで流れて行く人達が見られる。

因みに、水源の氷河により近いブリエンツ湖の水温はトゥーン湖より低いため、湖上はトゥーン湖のような賑わいは無く、何となくしっとりと落ち着いてちょっと寂し気な印象がある。だからこそNetflixドラマ「愛の不時着」のロケ地に選ばれたのかしら?!

アーレ渓谷に話を戻すと、この全長1.4kmの渓谷はマイリンゲンとインナートキルヒェンの間に位置している。何千年という時をかけて川の流れの浸食作用により石灰岩が削られて形成され、切り立った崖と崖の間の一番狭い所では1mも無く、一番深い所は約200m。

東口側→西口側へと流れるアーレ川。西口側は遊歩道入ってすぐに両側に切り立った崖の間を進む。夜はライトアップされているそう。

一番狭い所では両側から歩いてきた人々が道を譲り合い。


観光地としても有名なため、混雑を避けるために朝の開門時間の8:30過ぎにマイリンゲン側、西口から歩き始めた。この日は朝雨が降っていたのもあり、渓谷を通り抜ける風はかなり冷たかった。他の観光客もほとんどおらず、川の流れる音しか聞こえない渓谷の景色は、神秘的かつ圧倒的であった。

朝降っていた雨も止み、復路では太陽が出て来た。

マイリンゲン側の西口、インナートキルヒェン側の東口は線路でも結ばれていて、どちらか一方から歩いて、帰りは電車で出発地点に戻ることも出来る。この間は渓谷にそびえ立つ崖の裏側がくり抜かれて線路が通っているため、東口の駅はトンネルの中。スイスはユングフラウ鉄道といい、ゴッタルト鉄道といい、山がちだけあってトンネルを掘る技術がすごいなぁといつも感心させられる。

東口側の駅。ボタンを押して待っていると、トンネル内の電車の到着に合わせてドアが開く。

我が家から車で約1時間で到着するアーレ渓谷。そんなに遠くない所でこの雄大な自然美を楽しめるなんて、何て恵まれていることか。そしてスイスの自然に世界中の人々が魅せられるのがよくわかる。

東口側から見るアーレ渓谷。ここから西口方向へ川が流れている。