湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

スイス国内列車旅行:①ジュネーブ

昨年9月、『スイス国鉄(SBB)4日間乗り放題の旅』の車内広告を発見した。スイスには有名なグレイシャー・エキスプレスやベルニナ・エキスプレスもある。電車の旅行も楽しそう!ということで早速チケットを購入。それから半年、ずっと温めておいたチケットでなるべく遠い所へ行こうと、以下の行程で旅に出た。

①ジュネーブ(ドイツ語ではゲンフ)日帰り

②グレイシャー・エキスプレスでブリッグ~サンモリッツ

③サンモリッツ~リヒテンシュタイン

本日はその第一弾、ジュネーブ日帰りについて書こうとブログを開いた。いつもはひとりごととして書いているが、旅行となると読んでくださる方への情報も挟みながらの方が良いかな?などと書き進むうち、文章が散漫になり過ぎてまとまらなくなってしまった。「旅行記は難しいなー」と悩みながら今回は書いているが、よろしければお付き合いください。

残念ながら当日は雨が降ったり止んだりで、更には予想以上に気温が低く凍れた一日だったが、ジュネーブへ向かう車窓には次から次へと綺麗な景色が流れて行く。スイスとフランスの国境にある西ヨーロッパ最大のレマン湖(ドイツ語ではゲンフゼー)にかかると、列車は左側にレマン湖と対岸のフランスの風景を見ながら進む。フランス側には後ろに有名なモン・ブランなどの山々が控えているが、スイス側はブドウ畑などが広がっている。

車窓からの景色。対岸はフランス。

ジュネーブに到着して最初に探したのがトイレ。電車の中で行っておけば良かったのだが、車窓を楽しむことに忙しくて忘れていた。スイスの駅のトイレは大抵有料で1.5~2フラン。現金のみの所もあればカードのみの所もあり統一されていないようだ。今回はカードのみ。そしてありがちなのがユニセックストイレで男女一緒ということ。最初に利用した時はびっくりしたが、最近は慣れて来た。

その後まずは観光案内所へ向かう。私が持っている『地球の歩き方』'17~'18年度版の地図では駅近くの郵便局のビル内を示していたが、行ってみるとそこから1ブロック別の場所に移動していた。が、探しても見つからず、諦めてまた後で探すことにして、駅前から出るトラムでパレ・デ・ナシオン(国連ヨーロッパ本部)へ向かう。

国連前広場の大きな椅子のオブジェと敷地内に並ぶ加盟国の国旗

トラムの駅は国連の敷地の真ん前だったが、どこから入るのかよくわからず、何となく団体の後ろに並んでみるが、その横からは首から何かをかけて一般人っぽい人が中に吸い込まれていく列もある。こういう時、男性の特性なのか夫Mは絶対に積極的に人に尋ねない。ましてやジュネーブはフランス語圏、余計に人に話しかける気持ちが萎えるらしい。寒いのもあって無駄に待ちたくないので「じゃ私が聞いてくる!!」と英語で入口の係員に尋ねると、「予約してないの?今は4、5週間前からオンライン予約しないと見学はできませんよ」とのこと。よくよく考えればそうだよな~とは思ったが、私の古い『地球の歩き方』には要予約とは書いてなかった。コロナできっと全てが変わってしまったのだろう。この日のハイライトであった国連ビル見学がいきなり消えてしまった。

気を取り直してレマン湖沿いを歩きながら旧市街方面へ向かう。湖沿いの歩道は広々としていてとても気持ち良い。最初は遠くに見えていたジュネーブ名物の大噴水がどんどん近づいてくる。右に走るウィルソン通りからモンブラン通りへと名称の変わる広い道路沿いの建物は高さが揃っていて、パリのシャンゼリゼ通りを思い起こさせる。きっとフランス語圏なので、私の脳が勝手に唯一知っているフランスの都市を記憶から呼び起こしたのだろう。

広く気持ちの良い湖沿いの歩道

そして見つからなかった観光案内所がモン・ブラン橋を渡った所に突然現れた。そこでもらった地図にも観光案内所の場所は地球の歩き方と同じ場所になっていた。「英語で」とお願いしてもらった地図もフランス語だらけで私にはちんぷんかんぷん。結局スマホの地図が一番役立った。

「観光案内所とは、ツーリストが一番アクセスしやすい場所にあるべきなのではないだろうか?ここって駅からかなり遠いけど・・・。そして情報も最新じゃないけど。」と思いつつもスマホを頼りに街歩きを再開。

サン・ピエール大聖堂へ向かうつもりだったが、この時点で既にお昼近く。途中にあったデパートGLOBUSのフードコートでランチをすることにした。夜は既にレストランを予約してあったので、あまり重くならないように、ポキ丼とシュリンプサラダ。でも都会の街中だからか高い!

フードコートのポキ丼25フラン。この日のレートで3,725円!美味しかったのが幸い。

腹ごしらえが済んだ後はサン・ピエール大聖堂へ。ヨーロッパの大きな教会には必ずあるステンドグラスとパイプオルガンがあり、本堂はどちらかというとさっぱり。それとは対照的に出口付近にある小さい礼拝堂の方は色彩が豊かで華やかだった。

小さい方の礼拝堂のステンドグラスと天井

この後、市庁舎の横を通り、観光案内所でもらった地図に『見るべき名所・旧跡』サインのあった場所に行ってみたが、一体そこに何があるのか見つけられず。後から調べたら宗教改革記念碑だったようだ。

宗教改革記念碑は見逃してしまったが、その前にある公園からオペラ劇場の横を通り、シテ・デュ・タンへ。地図で見るとイル橋という橋の上にあるので小さいのかと思っていたら、かなり大きな建物が建っていて、しばらく島だとは気づかなかった。

この後、パテック・フィリップ時計博物館が開く2時少し前に現地へ。建物の前には既に観光客、学校の社会見学、会社のイベントとして来ていると思われるグループなど沢山の人が待っていた。早々に入場し、iPadガイドを借りて見て回るが、コレクションの数が多すぎて、足腰の方が先に疲れてしまった。きっと時計好きの人には夢のような場所なのだろう。時計も素晴らしかったが、個人的には超絶技巧で本物そっくりに動くというネズミが実際に動くところが見てみたかった。前に京都の清水三年坂美術館で見た超絶技巧の品々を思い起こさせた。

約1.5時間楽しんだ後、iPadを返却に行くとそこにはすごい人の列。借りる人と返す人が入り乱れて並んだカウンターの先にはたった一人の若い女性が、iPadを受け取り、消毒し、説明しながら貸出し、と自分の順番が永遠に回ってこないのでは?と思わせる進み具合。途中観光客同士の「私の方が先よ!」という小競り合いもあり、なかなかなカオスであった。

すっかり歩き疲れたので、予約時間より早めに駅近くのレストランカフェ・ド・パリへ。ここでは席に着いたら自動的にどのテーブルにも同じ料理が運ばれてくる。特製ソースの上にビーフステーキが並び、それを卓上で火に通しながら食べる物。場所柄観光客が多いのだろうが、1930年からこの料理一本で今まで生き残っているのはすごい!

これにサラダとフレンチフライがつく。火が通ってくると、ペースト状に見えているソースが液状へ変化。

ディナーの後は、翌日のグレイシャー・エキスプレスの旅に備えて早めに帰宅。

この日の反省点としては、観光案内所の方が詳しい情報がゲットできると思ったので、日本語ガイドブックを「重いからいいや」と持ち歩かなかったこと。全部しっかり見たいという方には、やはり日本語ガイドブックを携帯することをお勧めします。スマホで情報取りながら回ることも出来るのでしょうが、私の場合電池がもたないので。

そして情報はアップデートが命!ガイドブック携帯を勧めておきながら矛盾していますが、書かれている内容が最新かどうか疑ってチェックしましょう。