切りっぱなし
スイスでは、よく友達を食事に招待したり、されたりする。招待された時の手土産に多いのが花束、ワイン、チョコレート、デザート。
私はアルコールを飲まないので、それを知っている人は花束をくれることが多い。
一番最初に花束をもらって驚いた。はい、と渡されたその花束は切りっぱなしで濡れていたのだ。日本だったら濡れたキッチンペーパーで茎の切り口を巻いて、その上からラップをしてくれたり、お店によっては独自の花束持ち帰り用の素敵なビニールの袋に入れてくれたりと、お客様本位で処理をしてくれるが、こちらはなんともワイルド。家で花瓶に入れることを想定しているとはいえ、持ち運びのしやすさは考慮してもらえないのかしら?
そういえば結婚式用に買ったブーケもそうだった。これなんかはずっと手に持つことがわかっているはずなのに。
学習した私は、花束を買う場合は必ず切り口を覆うビニール袋か、花束をそのまんまポンッと入れられる箱を用意するようになった。そうでないと、目的地に到着するまでずっと腕を伸ばして花束を持ち歩かなくてはならない。
日本が過剰サービスなのか?こちらが過少サービスなのか?
日本は確かにサービスが過剰な事もあるが、花束の切り口処理に関しては、やっぱり私は日本に軍配を上げたい。
人にプレゼントする場合でも、その人に手渡すまで自分で花束を持ち歩くという楽しみもある。そんな時、服が濡れないように腕を伸ばしたまま持ち歩く姿は美しいとは言えないもんな~。
余談だが、花束はドイツ語でシュトラウス(Strauss)。『美しき青きドナウ』で知られるオーストリアの作曲家、ヨハン・シュトラウス2世もStrauss。名前が『花束』なんて素敵!