湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

挨拶だけで4か国語

毎週木曜日の午前中は太極拳のクラスに通っている。

なぜ太極拳なのかというと、日本で習っていたことがあり、多少知識があるので、先生の喋っている内容が理解できなくてもついていけるだろうと思ったから。そして少しはこのスイスでの知り合いを増やしたいと思ったから。

今朝もクラスに皆が集まってきた。

「チャオー!」「ハロー!」「グーテモルゲ!」

皆私より随分年上の方たちだが、とても親切。皆が集まればスイスドイツ語の会話になるが、私にはなるべく標準ドイツ語で話してくれたり、わかるように説明してくれる人もいる。

私が住むスイスで話されているのは標準ドイツ語のスイス訛り版。日本の友達に説明する際は、『日本語の標準語に対する東北弁のような感じ』と伝えている。

スイスのドイツ語圏に住む海外からの移住者は、大抵はドイツ語の語学学校に通ってドイツ語の勉強をスタートすると思うが、そこで習うのは標準ドイツ語。でも一歩学校から出ると周りの人達の会話はスイスドイツ語となる。

このスイスドイツ語はドイツ人にとっても難しいらしく、知り合いのドイツ人女性は「すごく集中して聞いていないと理解できないからとても疲れる」と言っている。要はドイツ人にとっても外国語のようなものなのだ。

話を太極拳クラスに戻すと、クラスが終わって皆帰っていく時にも朝と一緒の「チャオ!」と言っている。と、私には聞こえた。

人に会った時にも別れの挨拶にも「チャオ」は使えるのか?と不思議だった私は夫のMにそれを質問してみた。すると、

「それはきっとチャオ(Ciao = イタリア語)ではなく、スイスドイツ語の「チョウ」(Tschou)だよ」

そうなのか!私の耳では違いが聞き取れてなかったけど「チャオ」じゃなかったのね。

スイスで友達や家族と別れる際は「チュース!チャオ!アデー!」と、なぜかいくつも単語が並ぶのだが、これを解説すると

・チュース(Tschüss = ドイツ語)

・チャオ(Ciao = イタリア語)

・アデー(Adieu = フランス語)

と、既に3か国語。これに「チョウ(Tschou = スイスドイツ語)も加わって、挨拶だけで4か国語が並ぶことになるのか。。。

スイスの公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語(*)の4つで、話者の割合もこの順番だ。さよならの挨拶も皆に平等に、ってことなのかしら???

 

(*)ロマンシュ語の話者の割合は極々小さく、これを話さないスイス人でも理解できないらしい。

スイス建国の地。リュットリの丘

フィアバルトシュテッター湖