湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

夏のグリンデルワルト

冬のグリンデルワルトはスキーリゾートとして有名だが、夏でも人気の観光地として世界各国から観光客が訪れている。アジア人の観光客も多く、毎回行き交う度に「日本人かな?」と会話に耳を澄ますのだが、大抵は中国人か韓国人で、日本経済の勢いの無さが心配になる。

メインストリートを通る車を見ていると、レンタカーやEU諸国のナンバーが多く、属するスイスベルン州ナンバーの方が少ないぐらいだ。

メインストリート。正面にそびえるのはヴェッターホーン(3692m)

9月の1週目、夫Mが休みを取ったので、2年ぶりにグリンデルワルトへハイキングへ行って来た。ここは周りを3,000m~4,000m級の山々に囲まれていて、村の中心地からは

①アイガーエクスプレス

②メンリヒェンバーン

③フィアストバーン

の主に3つのロープウェイ、この他登山鉄道、バス等で色々な方面へ行くことができ、50以上のハイキングトレイルが整備されている。

ロープウェイで一気に2千メートル越え地点に降り立ち、そこから始めるハイキングは正に天空の中を歩いているようで、ハイキングや自然好きな人には間違いなく素晴らしい体験ができる。

今回はメンリヒェンバーンで頂上ではなく、途中駅のホレンシュタイン(1529m)へ。ロープウェイの中では関西方面からと思しき日本人観光客の若いご夫婦と一緒になり、勝手にちょっと嬉しくなった。数年前の日本語会話に飢えていた時期ならきっと相手の迷惑も顧みず話しかけていたであろうが、今回は遠慮して、心の中で「楽しんでね!」と願いながら降りた。ホレンシュタイン駅からは、アイガー方面の東へ向かうルートを歩いた。あまり高低差の激しくない子供連れ向きのルートなのだが、ほとんど他の人に会うことも無かった。

ホレンシュタイン駅から見下ろすグリンデルワルトの村

ヒュッテでランチを食べた後、まだ時間も余力もあったので、先月書いたアーレ渓谷に行った際にMが「そういえばグリンデルワルトにも似たような渓谷があるんだった」と思い出しだしたグレッチャー渓谷までそのまま歩くことにした。

登山電車

ここへ向かうには一旦一般道路まで降りてそこをしばらく歩くので、日陰が無く陽光に容赦なく照りつけられたが、とぼとぼと歩く我々の横を、車で同じ目的地を目指す観光客が次々と通り過ぎて行った。そう、ハイキング好きな人は歩いて目的地へ、そうでない人は車やバスで簡単に辿り着けるのも人気の秘密なのだろう。

グレッチャー渓谷入口

途中、崖と崖の間にネットがかけられていて、その上を歩くことができる。グレッチャー渓谷にはバンジージャンプもあり、アトラクションが多い。

下には冷たい急流



2日目はプフィングシュテック展望台まで歩いて登った。

違う角度から見るヴェッターホーン


ここは、アイガー北壁側からグリンデルワルトを見下ろすことができる。ローデルバーンという長い滑り台をブレーキのついた乗り物に乗って滑るアトラクションや、フライラインも楽しめる。そしてこのプフィングシュテックまではロープウェイもあるので、もちろん簡単に辿り着ける。

到着したのがお昼前だったので、レストランで食事をしていると、山の陰になっていた太陽が徐々に姿を現し、涼しかった気温もどんどん上がって、景色も色を帯びて来た。

アイガー北壁は人の横顔のようなシルエットが目印。まだ太陽の光が山に遮られて、牛もちょっと涼しそう。

スイスの楽しみ方は色々あるけれど、雄大な自然と澄んだ空気の中でのハイキングは本当に素晴らしい。また来年の夏も来よう!