湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

ヒュッテデビュー

最近ずっと真夏のような天気が続いているスイス。お天気なのに夜には夕立が降ったり、朝・昼・晩と3回雨が降ることがあったり。なので、この週末の天気が前々からずっと気になっていた。

この週末は半年前から夫Mの友人夫妻が、オーバーシュタインベルクのヒュッテ(山小屋)を予約して、我々の結婚のお祝いにとハイキングに誘ってくれていたのだ。結果、奇跡的に2日間快晴で、絶好のハイキング日和になった。

スイスは正にハイキング天国。至る所に自然の中でのハイキングを楽しめるよう道が整備されている。オーバーシュタインベルクは首都のベルン方面から向かうと、世界中からの観光客で溢れるラウターブルネンを通り抜け、ラウターブルンネン谷と呼ばれるこの一帯のほぼ突き当たりに位置している。

シュテッヒェルベルクの駐車場に車を置いて、一泊二日のハイキングをスタート。このラウターブルンネン谷では特にシュタウプバッハ滝が有名だが、それ以外にも70以上の滝が存在しているので、ハイキング中いくつもの小川や橋を渡って目的地のヒュッテを目指す。初日は西側の斜面の森の中を、腸腰筋をフルに使って登り続けた。

西側の斜面から東側の斜面を望む


途中、幾度かの休憩とランチを挟んで約6kmを3時間、標高にして約900m登って目的地のヒュッテ、標高1,780mに到着。

この日の宿、ベルクホテル。

到着後はテラスで喉を潤し、夕食までは外のベンチで太陽の光で体を温めながら景色を楽しんだ。

ヒュッテのベンチで景色を楽しみつつ日光浴

ヒュッテには電気が通っておらず、部屋にはキャンドルが一本あるのみ。

洗面台の代わりに洗面器と水差しが置いてあった。

シャワーも無いのでボディー用のウェットシートで顔と体を適当に拭いて、何とか汗だけは拭きとった。必要な荷物は全て自分で背負わなくてはならないので極限に持ち物を絞ったが、日本製のウェットシートとウェットティッシュは持参して本当に良かった。

「キャンドルだけが灯ったホテルの全景を外から写真で撮ったらどんなに素敵だろう?」と考えてはいたが、この時期夜10時頃まで外は明るく、夜は冷えるしハイキングの疲れもあり、9時過ぎに早々にベッドに入った。夜中に窓から空を見上げると、今まで見たことが無い満天の星々が輝いていた。

翌朝は8時半にヒュッテを出発し、標高2,060mのオーバーホルン湖へ。

氷河から流れ込む水が澄み切ったオーバーホルン湖


この辺りは高山植物の草原が広がり、「雄大な」という言葉はまさにこういう風景のためにあるんだなぁ、と思いながら360℃パノラマの絶景を楽しんだ。

上から望むラウターブルンネン谷

湖を後にして前日の反対側、東側の斜面へ。すぐ近くの氷河から流れ出すやがては滝になる白濁した川を渡り、アルプスマーモットの出現も楽しみつつ、前半は余裕で楽しめたのだが、、、東側は西側と違って木が生えていない。容赦のない陽光を全身に浴びながら、後半は日陰の全くない急斜面をひたすら下り続けた。

最高地点2,140mから890mの出発地点シュテッヒェルベルク村へ、この日は9.4km、約4時間半の行程。最後は膝にきて踏ん張りがきかず、砂利で滑って2回転んでしまったが、無事にハイキングを終えた。

正に『ザ★スイス』な景色が存分に味わえた最高の週末であった。