湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

憧れのウィンブルドン

先週出張でロンドンへ行ってきた。

こう言うと日本に住む友人達には大袈裟に聞こえるのか、「出張でロンドン?すごいね。」とか「世界を股にかけてるね!」とか言われるのだが、チューリッヒからロンドンまでのフライトはわずか1時間40分。羽田から北海道へ飛ぶのと変わらず、沖縄へ飛ぶよりずっと近い。とはいえ、外国ではあるのでもちろんパスポートを用意して出かけた。

前回、昨年10月にロンドンへ初めて行った際は、夫Mとその友人達の旅行に便乗し、フライトだけ一緒にして、現地では私は友人の家に泊まって別行動という変則的な旅をした。ブレグジット後彼らにとっては初のイギリス訪問だったため、私の「本当にパスポートいらないの?」という再三の質問にMは「いらないよ。僕たちはスイスのIDだけで入国できるんだ」と答えていた。が、ブレグジットはそんなに甘くなかった。早~くに空港について朝食を食べたりぐだぐだした後に出国カウンターに向かうと、係員に「パスポートは?」と聞かれてMともう一人の友人の顔色が変わった。急にスイスドイツ語で彼らだけで会話を始め、そして二人は駆け足でどこかへ去って行った。残ったもう一人のパスポートを携帯していた友人によると、どうやらM達のようにブレグジット後もパスポートを携帯せずにイギリスへ飛ぼうとする人が後を絶たないらしく、一回限りの仮パスポートを発行してくれるカウンターがあるとのこと。そしてこの時はぎりぎり間に合って、無事に4人一緒に飛ぶことができたが、ゼーゼーと息を切らすMに私は「だから言ったじゃない」と言いたい気持ちを抑えるのに必死だった。

話が逸れたが、今回は一人なので、事前にきちんと空港から友人宅への行き方も頭に入れて出発。前回の記憶もフレッシュだったため、何の問題も無く到着した。

今現在住んでいるスイスの田舎町と違って都会のロンドン。そして車は左側通行ということもあり、なぜかロンドンに来るとちょっとほっとする自分もいる。会話が英語でドイツ語よりもわかるというのもあるようだ。

無事に仕事を終えて滞在4日目。空いた時間に、最初は前回行っていない大英博物館に行こうかと考えていたのだが、この週は丁度ウィンブルドンウィーク!チケット入手はもちろん難しいだろうけど、現地の雰囲気だけでも味わいたいと電車でウィンブルドンへ向かった。

ウィンブルドン駅

ウィンブルドンというからには最寄り駅はウィンブルドンだと信じて行ったが、どうもその2つ手前のサウスフィールズ駅で多くの人が降りていく。後から地図を確認すると大体同じぐらいか、若干サウスフィールズの方が近い気がした。

終点のウィンブルドン駅で下車すると、駅前には人工芝が敷かれ、街のショーウィンドウもテニスラケットやボールで飾られていて、普段は静かであろうこの街の、年に一度の大イベント感を感じた。

駅前に敷かれた人工芝

街のショウウィンドウもテニス一色


坂を上って下った先に目指すオールイングランド・ローンテニス・クローケー・クラブがあった(因みに、サウスフィールズからの方が坂も少なく道路も広くて行きやすい)。洒落たリネンのジャケットに真っ白なパンツの紳士や、ワンピースに足元は白い運動靴やハイヒールという淑女を見かけ始めて、会場が近いことを実感する。

馴染みのある緑と紫の旗や門の外から見える「センター・コート」の文字に大興奮。現在地の地図の写真を撮ったりしている私に何人もの係の人が「何か困っていますか?」と声をかけてくれた。「チケットも時間もないけど雰囲気だけ味わいに来た」と伝えると、「楽しんでいってね!」。その中の一人の女性が「マレーマウントのビッグスクリーンで試合を見て行けば?入るだけなら15ポンドだから。今なら列も空いているし」と教えてくれたので、折角なのでそうすることにした。

試合直後なのか、選手の名前を貼っていた。

この日はあいにくの雨で、マレーマウントには傘の花が咲いていたが、ちょうどジョコビッチ対シナー戦がスクリーンに映し出されていて、皆興奮しながら試合に見入っていた。全身テニスウェア(スコート)を着て雨に濡れるのも気にせず見ている人も。テニス愛のすごいエネルギーを感じた。

マレーマウントで試合を観戦

「いつかウィンブルドンでテニスを観戦したい」という夢が完璧に叶ったわけではないが、現地の雰囲気を味わえただけでも幸せな時間だった。そしてまたこの時期にロンドンに来ることがあれば、その時は当日券を狙って長ーい列に並んでチケットを手に入れてみたい。

次回はこの中で試合を観戦してみたい!