湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

スイス・ミリタリー

先日、在スイス日本国大使館より送られてきたメールに「軍事演習に伴う交通規制」というのがあった。その内容は「スイス空軍が高速道路A1上で戦闘機の離着陸演習を実施することに伴い、4日21時から6日9時までの間A1上のXXX~XXX区間において、一部通行止めとなります」

普通の高速道路上で、それも深夜ではなく21時から翌日9時とは。これがもし日本だったら、一般市民からの苦情が殺到しそうだな、と思いつつ、さすがミリタリーの存在が身近な国ならではなのだろう。

スイスには徴兵制度があり、健常な男性には兵役が課されている(女性も志願兵として入隊可)。私の住む町の近くには大きな駐屯地があるので、日常でミリタリーの制服を着た若者もよく見かける。甥っ子が兵役に就いていた時、ファミリーデーがあり家族皆で参加したことがある。野外には昔からの戦車が年代別に陳列されていて、マニアにはたまらなそうだ。

ずらりと並んだ戦車

建物内部には銃、リュックサックの中身、野営の際のテントなどが展示されており、実際に戦車の中にも入ることができる。車内は暗くてとても狭く、こんな状態で悪路を移動したら絶対に車酔いするな、と過酷な状況が容易に想像できた。

リュックサックの中身

この人数がこの暗い戦車の中に収容されるのか?!見ただけでもう酔いそう・・・

こうやって子供の頃からミリタリーの存在が身近になっていくんだろうな

兵役はもちろん肌に合う人、合わない人がいるようで、甥っ子は結構気に入っていたようだが、友人の息子さんは「もう最悪」と週末帰宅する度に文句が止まらなかったようだ。最近は兵役ではなく社会奉仕活動を選ぶこともできる。

兵役中はかなりな高給が受け取れるので、甥っ子は毎週行きつけの街のレストランで子牛のステーキを食していた模様。体力勝負な訓練もあるだろうし、何せまだ若い。そりゃお肉も食べたい盛りだもんね、とは思うが、51フラン(現在レートで約8,900円)を毎週とは!

兵役を終えた後は海外へ一人旅1か月、友達とまた別の国へ2週間など旅を楽しみ、夫Mは「納税期までにお金残ってるのかな?」と心配していた。

ここ数年であちらこちらで戦争が勃発し、兵役に就く兵士達もいつか自分達が前線に立つことになる姿を想像しない訳にはいかなくなっているのだろうが、どうか訓練だけで終われますように、と切に願っている。

さすがスイス。ミリタリー・チョコも美味しい!