湖畔のひとりごと

スイスでの生活で気づいた事などを綴っています

田舎暮らし

千葉市で育った私が子供の頃は、近所にまだ空き地もいっぱいあり、カタツムリ、バッタ、トンボ、トカゲなどを普通に見たり捕まえたりという子供時代を過ごしたが、成長するにつれてその空き地もほとんどなくなり、特に過去十数年はマンション暮らしだったこともあり、自然に触れる機会も減り、家の近所でこれらの生物を見る事はほどんどなかった。

スイスの田舎で暮らすようになり、子供時代以上に自然と触れる、というか、自然と共に生活することになり、ちょっと子供の頃の感動を思い出したりしている今日この頃。近くの森からは一日中アカゲラが木をつつく音が響き、太陽が出ると庭には日向ぼっこするトカゲがいっぱいに。夜にはたまにキツネも見かけるし、一度は私の姿に驚いたテンが思わずプールに落ちて慌てて逃げて行ったことも。姿こそ見かけないが、夜に現れているらしいアナグマがあちらこちらに穴を掘り、そこにかならず糞のお土産を置いていくので、これには毎年悩まされている。

そして特にこの時期至る所で見られるのがカタツムリ。スイスではカタツムリは保護されているのもあって、草むらの陰を覗くと密集していたりする。

草むらにはカタツムリがいっぱい。歩くのも慎重になる。


サイズも立派。

凛々しささえ感じさせるこの後ろ姿


先日、踏んでしまわないようにひょいと持ち上げたカタツムリを見ると、その殻の上で何かが動いている。「これはもしや子カタツムリ?それがお母さんの殻の上に??」と感動。

殻に貼りついているのは誰?


しかし、後から調べてみるとカタツムリは生れながらにもう殻を背負っているとのこと。となるとこのチビちゃんはただのナメクジか?考えてみればカタツムリが子育てするとは想像できない。調べた内容を読むとさらに驚きの生態が。カタツムリは雌雄同体で、夏眠と冬眠をし、夜行性なのだとか。そしてカタツムリといえば紫陽花というイメージがあるが、それは葉っぱを日よけにしているだけで、実際には食べない。身近な動物なのに何も知らなかったな。

そして同日、そろそろバラが咲いたかな?と家の側面を見に行くと、勢いよく伸びたバラに隠れてほとんど見えなくなっていた巣箱にシジュウカラが出入りしている。「もしや巣作りしてる?!」と小踊りしながら夫Mを呼びに。Mと戻ると、微かながら巣箱から弱々しい雛鳥の鳴き声が。「もう孵化してる!!」この日以来一日に何度か巣箱の観察をすることが日課になっている。シジュウカラは繁殖が始まると毎日1個づつ卵を産み、平均8~9個も産むのだそうだ。18~20日で巣立つそうなので、できればその瞬間を見てみたい。

雛の餌やりに忙しい親鳥

こういう小さな感動を積み重ねている日々。田舎暮らしも悪くないな。